本格的な温泉につかって、じ〜〜〜んと温まりたいときってありますよね。一週間のお疲れモードは、土・日のうちにリフレッシュしたいものです。

オシャレっていうのじゃないけれど、週に1度くらいは自宅で温泉と決め込んで、ぽっかぽっか気分で湯上がりの一杯、ゴージャスな夜を愉しみたいよね。ゴクラク・ゴクラク・・・

濃縮温泉コンサルタント 井上宜隆(よしたか)さんの温かいおはなし

第三話 ばかにできない温泉浴(注意と心得) 

高齢者が入浴中に事故を起こすケースがたびたびあるが、あまり知られていない。
入浴は危険も伴うことを知っていてほしい。いきなりドボン…はいただけない。

ことに熱い湯は気をつけたい。心臓に急な負担がかかって発作を招くため、入浴前の十分なかけ湯を心臓に遠いところからするようこころがけたい。

また、出浴時に急な立ち上がりは避けよう。皮膚の血管が急激に拡張して立ちくらみを起こしやすいからである。出浴時に、低血圧によって起こるめまいもよくみられる。温泉はぬるい湯で半身浴が良い。

熱い湯の長湯は避けたい。長時間入っていると、脳への血液過剰と血液循環がおかしくなり、頭がボーとなる「のぼせ」を起こす。よくぬらしたタオルを頭にのせて温浴しているのを見ると思うが、それはのぼせ予防のためである。

長湯するには露天風呂が最適だ。露天風呂が人気があるのも、温泉浴を落ち着いて楽しめるからだろう。

風呂から上がったら、乾いたタオルで体を軽く押さえるようにふく。
浴後はしばらく安静にして体を休めることも大事である。

水分の補給も忘れてはいけない。スポーツドリンク系の飲み物をお薦めする。みんなそれぞれの決まりは良く分っているはずだが守られていないのが多い、これからは気をつけよう。

風呂上りのビールは格別に旨いのでついつい飲んでしまう。ビールもそうだがコーヒー、お茶もあまり多く飲むことは良くない。一杯だけにして欲しい。なぜならビールやカフェインには利尿作用があり、多く飲むことによりからだに必要な水分まで排泄させる作用がある。脱水症の危険が伴うのだ。また温泉場に掛けている掲示で温浴禁止の人もあるので良く見ておこう。

一般的な入浴禁忌
すべての急性疾患、熱性疾患 病後の衰弱の強いもの、栄養不良 活動性の結核 ガン 肉腫などの悪性腫瘍 心臓病 強度の高血圧症 妊娠中の初期と終期 その他一般に病勢進行中の疾患

温泉はからだに良いことばかりではない。このような病気に心当たりのある人は温泉効果が、からだに悪い影響を与え病状が悪化することがあるので、十分確認したうえで楽しむようにしよう。

入浴条件の規定を遵守し、入浴する前に水分の補給を忘れないようにしたい。
これで温泉場に行った時、より楽しい温泉旅行になることは言うまでもないだろう。
第四話 治療効果のある療養泉9種類の泉質とその効能
温泉はからだに良いと言われているが、入浴方法を間違えると、効果的でないことも覚えておこう。温泉と見なされる泉質には11種類あり、中でも医学的に治療効果のある温泉水を療養泉といい9種類の泉質がある。その中には源泉での泉温が34℃以上である単純温泉も療養泉の中に含まれている。

各温泉場に行くと「温泉分析表」を掲示することが義務づけられているので、誰でも見ることができる。ぜひとも温泉地では確認することをお勧めする。現地に行ってもあまり温泉分析表を見ないし、気にしない人が大半ではないだろうか。自分のからだの症状を見て温泉選びをするのも楽しいものである。そこで療養泉の9種類を覚えておこう。

* 二酸化炭素泉(炭酸泉) 五味温泉 協和温泉
湯に入ると炭酸ガスの小気泡が肌につく温泉、若干の酸味と清涼感があり、利尿作用、鎮静作用、食欲増進などに効果がある。

* 炭酸水素塩泉(重曹泉、重炭酸土類泉) 登別温泉 支笏湖温泉 摂津峡温泉 
肌がしっとりとして美人の湯と言う温泉。肌を滑らかにし清涼感がある反面、湯冷めしやすく乾燥肌には適さない温泉。

* 塩化物泉(食塩泉) 洞爺湖温泉 湯の川温泉 伊東温泉 熱海温泉 川根温泉 
日本で単純泉の次に多い泉質、からだの芯までよく温まり、水分の蒸発を防ぎ湯冷めしにくい高齢者向きの温泉。    

* 硫酸塩泉(石膏泉・芒硝泉・苦味泉) 伊東温泉 登別温泉 山中湖温泉 
カルシウム分を多く含んでいて、血圧を下げ、痛みを和らげる鎮静作用があり、良く温まり胃腸と高血圧に良い美肌の温泉。
 
* 鉄泉(含鉄・銅泉) 塩狩温泉 登別温泉
源泉は無色透明だが空気に触れて酸化すると褐色になる温泉。酸性度の高い鉄泉は刺激が強く乾燥肌には不向きな温泉。貧血症には抜群の効果がある。

* 硫黄泉(硫化水素泉) 登別温泉 ニセコ温泉 白老温泉 
硫化水素ガスの発生するのとしないのと二種類がある。一般に匂いが強く刺激性が強く、肌の弱い方は注意が必要な皮膚病に効果がある温泉。

* 酸性泉(明ばん泉) 登別温泉 大雪原温泉 鶏頂山温泉 毒沢温泉 
刺激が強く病弱者、高齢者、皮膚の弱い乾燥肌の人には向かない、肌にしみる強い刺激がある温泉。

* 放射能泉(ラジュ−ム泉) 三朝温泉 増富温泉
世界的にも数少ない泉質の温泉で尿酸を尿から出すので痛風の湯という。三朝温泉は世界的に見ても含有量が高く100マッヘ以上ある。マッヘとはキュウリーと同じ放射量の単位で温泉にはこれが良く使われている。温泉の中に含まれる放射能は気体で湧き出した後は空気中に散ってしまうのでまったく心配はない。源泉の近くにいるだけでも効果がある良い温泉で、特に痛風・関節痛によい。

* 単純泉 奥道後温泉 野沢温泉 湯田中温泉 上諏訪温泉 湯原温泉 
日本で一番多い泉質で、からだに与える刺激が弱く愛用者が多くて名湯が多い温泉。疲労回復に効果がある。

以上のようにさまざまな特徴を持った泉質がある。ちなみに
日本の三大美人の湯を上げておこう。
・和歌山県の龍神温泉でナトリウムー炭酸水素塩泉。
群馬県の川中温泉でカルシウムー硫酸塩泉。
・島根県の湯の川温泉でナトリウムーカルシウム・硫酸塩・塩化物泉である。

自分のからだに合った泉質で楽しむのも良し、いろいろな泉質を楽しむのも良し、目的を持って療養するのも良し。温泉の楽しみ方、いろいろな入浴方法を思い出し、正しい入り方で温泉効果を得る健康法でより温泉を楽しんでいただきたい。
YOSHITAKA INOUE
第五話は「大学教授からのメッセージ」(2007年12月25日発信予定です)
これまでのお話
はじめに 大地からの贈り物温泉
第一話 温泉を知ろう(温泉とは)

第二話 温泉パワーとともに(効果と方法)

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